23年来の付き合いのある雪の茅舎の高橋藤一氏が、本日NHKにて22:25~23:10に放送される『プロフェッショナル 仕事の流儀』に出演します。初めてお会いした時は、職人さんと言うより科学者のような雰囲気を感じ取りました。論理的で、状況とデータから最適な指示を飛ばす様は、さすが良く研究されていると感心しました。
私事になりますが、以前お話しした際「味は濃厚で飲みやすく、度数の低い原酒はできないものでしょうかね~」とお聞きしたことがあります。
日本酒はアルコール度数17~18度で上槽・濾過し、火入してから貯蔵して、商品化する時期に加水・再度火入調整を行い、アルコール度数を下げるという方法をとるのが普通です。この状態は言わば水割りですが、高橋藤一杜氏は『いくら仕込み水で加水すると言っても、日本酒と成分が異なるものを加えるのは異物混入に他ならない。後藤さんのそのアイデアすごくいいですね』と言ってくれました。
お酒にとって良いと判断すれば、素人の意見だろうと酒造りの非常識だろうとそれらを取り入れて、日本酒をより良い方向へ進化させていこうとする姿勢には脱帽です。
今でも毎年新しい課題を蔵全員で共有し、それに若い蔵人も良い刺激を受けていて醸造技術はさらに日々進歩していると思います。
山内杜氏組合の中でも一目置かれている高橋藤一前組合長、秋田の日本酒業界の先導者として、今後も最高の日本酒を造ってくださることを期待しています。
秋田清酒の特徴
『秋田清酒の特徴は、良質の米産地と恵まれた自然によって清らかに湧く水と温厚誠実な人柄の杜氏たちの技術によって醸され、きめ細かく淡麗な旨さをもっています。低温長期発酵によるおだやかな発酵経過と優れた技術による軽快で爽やかな酒質でもあります。』